「昔から『ひとつ年上女房は金の草鞋を履いても探せ』という言葉もある。拙者が見立てたところ、カカシの嫁は年上がよかろうて」
 それが、カカシの育ての親の口癖だった。
 遠い昔、今となっては何もかも曖昧で、像すら碌に結ばない記憶の中、育ての親が言った言葉に続けて、何かを言われた気がした。
 生憎、内容は何一覚えていない。
 けれど、言われた言葉に対してカカシが頷くと、大きな手の平が頭を撫でてくれたことだけは覚えている。そして、そのとき微かに嗅いだ、苦く甘い、独特な香りを。




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前置き。みじかい!!







色温度ぷらす 序章