ビンゴブックに載った男6
言葉もなく連れてこられた奥座敷に、イルカ先生の笑みが如実に強張る。
あのときのこと、オレは根に持っているからね。オレ、執念深いってイルカ先生には言ってないけど、あれだけ一緒にいるんだからそろそろ分かってくれてるよね。
固まるイルカ先生を差し置き、勝手にビール二人前と適当につまみを頼む。
「ビールお待っせしやしたー」と独特な言い回しの店員からビールと先付、つまみを受け取り、今日はオレの気が済むまで帰さないと相対すれば、イルカ先生はがっくりと肩を落とした。
「うまくいったから帳消しじゃないですか……」
ぼそぼそっと何やら言い訳じみたことを言ってきたので、「ん?」と強めに言えば、イルカ先生はさっと目を反らした。
己の所業を自覚しているなら話は早い。
ぐびっと景気づけにビールを喉元へと送り、ジョッキを置くと同時に切り出した。
「で、イルカ先生。確かにこちらの任務の手助けをしてくれて、あまつさえ度肝を抜かれるほどに話をまとめてくれたことは感謝してるけど、あの晩、あのとき、ビール一杯だけ飲んで抜け出してオレをたった一人この奥座敷に残して、一人侘しくつまみ食べて、空しい気持ちを抱えながらお会計して早々に帰ったオレをどう思ってんの!」
「え、そこ!?」
驚いた声を上げるイルカ先生に、オレは目で威嚇する。
さっと目を反らしたイルカ先生は、うろうろと上空を見つめた後、観念したように言葉を吐いた。
「それは申し訳なく思っています。カカシ先生が俺に愚痴を言ってくれるなんて今までなかったから、いろいろと溜まっているんだろうなぁとは思ったし、聞いてもらいたいこともあるんだなぁ、と思ったりなんだりして」
言葉を探すようにしてうろうろと視線を飛ばすイルカ先生。
必死にあのときのことを考えていることが分かって、そこまででだいぶオレの気持ちも穏やかになっていたのだが、イルカ先生の言葉にふと引っ掛かりを覚えた。
オレ、イルカ先生に話を聞いてもらいたかったの?
改めて自覚して、何故か鼓動が跳ねた。
誰かに話を聞いてもらいたい。
そういう風に思うなんて、どれぐらい久しぶりのことだろう。
まだ親父がいた時、任務で家を空けることが多かった親父が帰ったときは、駆け寄っては今日何をした、これができるようになったなどと色んな報告をした。
褒めてもらいたかったのもあるし、オレが何をしていたのか知ってもらいたかった。
任務一辺倒気味ではあったものの、親父はオレのこともそれとなく気を配っていた。あまりにそれとなく過ぎて、気付かなかったことが多いけれど、親父を亡くしてから不意に気付くことが多々あった。
オレを見て、オレを知って、オレのこと分かって。
子供の時のオレは親父にそう言外に強請っていた。
だったら、これは?
イルカ先生に対して思うこの気持ちは一体何?
不思議な感覚に陥って、目の前のイルカ先生を見た。
イルカ先生は「えーと、だから、そのー」とごにょごにょと意味のない言葉を呟いている。手持ち無沙汰になったのか、そこでようやくビールのジョッキに手を伸ばし、ぐいっと煽った。
ごくごくといい音を立てて、喉元が大きく動く。がっしりとした体つきのイルカ先生だが、首は体に対して少し細い。
ビールジョッキについた結露の水が、顎先を通ってその少し細めの首を伝って流れた。
「ぷはぁぁ」と一気に飲み干して満足げな息を吐いたその口周りには白い泡がついていて、ぐいっと袖口で拭った後、首筋に流れた水も荒々しく拭った。
アルコールが入ったせいか、それとも荒く拭ったせいか、唇の色が濃くなる。それと同時に、日に焼けた肌の首筋にもほんの少し赤い摩擦痕が残った。
その熟した赤と、走った赤を見て、ごくりと喉が動いた。
いや、何、これ。違うでショ。
一瞬思った自分の声をすぐさま否定するも、自分がとっさに発した声は消せない。
友人を美味しそうと思うなんて。
自分自身収集つかない感情に動揺して、それでもイルカ先生には悟らせたくなくて話かける。
今は話に集中しよう。そうだ、そうしよう。
「ま、イルカ先生も色々と骨を折ってくれたみたいなので、今回は許しますけど、今度から突然いなくなるのはやめてーよ」
少々上から目線の発言をして、己に喝を入れる。正気に戻れ。
イルカ先生はオレの発言に文句を言うでもなく、にへらと締まりのない笑みを浮かべた。
「カカシ先生も寂しく思うことあるんですね」
どこか嬉しそうに言う言葉に、つい棘が入った。
「何それ。オレだって人間よ。寂しくて人肌恋しくなる時はもちろんありますとも」
イルカ先生の苦手な色事を仄かに匂わせれば、カッとイルカ先生の顔が赤く染まり、照れたように目を反らす。
「そういうこと堂々と言わんでください」
反応してしまう自分を恥じているのか、ちょっと口を尖らせるイルカ先生の仕草が何故か腹の奥にくる。
いやいやいやと己の節操のない情動をたしなめつつ、集中できる話を探した。
今日来たのは、イルカ先生にオレが一人で侘しく飲んだ気持ちを分かってもらうことと、そう、任務。あの依頼主の説得についての話をするためだ。
前者はすでにオレ的に話はついているので、次は後者だと話の引き出しを開ける。
「それで、あの依頼主についての話に移りたいんですけど」
切り出せば、イルカ先生があからさまに挙動不審な動きをし始めた。
聞かれたくなかったことを聞かれてしまったことを隠そうとするあまり、逆におかしくなってしまっているようだ。
これで中忍の任務できるのかねぇ。
イルカ先生の任務遂行が非常に気にかかるところだがそれはおいおいとして、突っ込んで聞いてみる。
「イルカ先生、あのとき一晩時間くれって言ってましたけど、どうやって調べたの? イルカ先生自身九尾の事件で資料が燃えたとか言ってましたけど」
依頼主の様子からして、イルカ先生が話した事は信ぴょう性の高いものだということが分かる。だが、出どころは一体どこなのだろう。
純粋な疑問から口にしたのだが、対するイルカ先生の反応は激しかった。
弾かれたようにオレを見るなり、先ほどの比ではないほど顔とはいわず耳まで真っ赤にし、動揺が極まったのか目尻に涙まで浮かんで、わたわたと体を左右に揺らしている。
何かあります。ぜひとも聞いてくださいと言わんばかりの反応に一瞬放心し、次いでこみ上げてきた笑いに腹を抱えた。
「わ、笑わんでくださいぃ!!」
声がひっくり返るほどの動揺ぶりにますます笑いがこみ上げてきて大変だった。
ひとしきり笑った後、笑いで浮かんだ涙を拭いながら指摘する。
「もう、ダメだってば、イルカ先生。そんな一般人でもやらないような動揺ぶりをされちゃ、オレだって突っ込むしかなくなるって」
うーっと唸りながら顔を隠すイルカ先生に、オレはそっと身を乗り出して悪乗りする。
「お望みなら、上忍の尋問受けてみる?」
囁くように言えば、イルカ先生は体をびくつかせ、一歩と言わず壁際まで後ずさって、ぶんぶんと横に首を振った。
真っ赤に色づいていた肌はあっという間に青くなり、惜しいと思った己を拳でどつきながら話を聞く態勢を取った。
オレが身を引いたことで、イルカ先生はそろそろと元の席に戻り、カラになったジョッキを手の中で弄びながら上目遣いで窺った。……だから、そういうところ。
「呆れないでくれます?」
一瞬イルカ先生の言葉を聞き逃しそうになったが、何とか追いつき、オレはもちろんと頷く。
イルカ先生はちょっと安堵したように視線を落とし、気乗りしないながらも話し始めた。
「その。まず始めに驚かないでいただきたいんですが、受付所員はカカシ先生のことを高く買ってます。任務の成功確率も高く、報告書も必ず提出、それに付随する資料などもとても分かりやすく、しかも揃ってますし、格下の忍びにも丁寧に接して横暴な態度は微塵もない。注意すれば素直に謝って次からしないように気を付けてくれますし、緊急に入った任務にも文句もなく行ってくれる。とにかく、カカシ先生は受付員にとって神ともいえる存在なんです」
思いもしない言葉の羅列が今、耳を通り過ぎて行った。
初めて聞くそれに戸惑いつつ、一応言っておく。
「いや、それって普通のことでショ。神なんて大げさな」
そこまで言って、イルカ先生は大きく首を横に振った。
「大げさなものじゃありませんって!! カカシ先生が言った、その普通のことがどーれだけ皆さんできていないか!! もし、里が毎年忍びの最優秀賞を投票で募っているなら、受付員一同カカシ先生に入れてます!!」
鼻息荒く言い切るイルカ先生に、受付員は何か溜まっているものがあるんだなぁと思いつつ、適当に相槌を打っておく。
信じてませんねと睨まれたけど、話を進めて進めてと手で促せば、仕方ないと言わんばかりに息を吐き続けた。
「そのカカシ先生がとある任務でごたついているって、受付員の中で結構前から噂になっていたんです」
まさか筒抜けの現状に顔が赤くなる。
イルカ先生もばつの悪い顔をして、フォローらしきことを口にした。
「いえ、そのいつも把握している訳じゃないんです。ただあのカカシ先生が任務の途中報告をしていないことがおかしいと話が出て、そこからぽつぽつと情報が集まり」
「……もしかしてオレ、他の人より注目されてる?」
いつもなら「へー、そう」で終わるのに、イルカ先生がいる受付の中で噂があがるというのがいたたまれない。それに難航している任務についてなんて、ものすごく勘弁して欲しい。
「いや、あの、す、すいません!! カカシ先生は気にするだろうから、絶対バレるなよって受付の同僚たちにも言われてたんですが、本当にすいません! 拙くって本当にすいません!!」
受付員たちの危惧そのままに、今ここで白状しているイルカ先生はこめつきバッタのように頭を下げまくる。
「申し訳ないですが、俺が今ここで話すことも内緒でお願いします。じゃないと、カカシ先生の受付対応から外されかねません」
「無論です。イルカ先生の受付受けられないなんて、それはひどい!!」
頭を下げるに加え、拝むように手を合わせてきたイルカ先生の発言に、オレは何も考えずに答えていた。
癒しの時間が軽減するとばかりに叫べば、イルカ先生はきょとんとした顔を見せた後、ぽっと頬を赤らめる。
あれ? オレ、何か恥ずかしいこと言った?
「あ、いえ。カカシ先生と話すことを楽しみしているのは、俺だけじゃなかったんだなぁと、その。……ありがとうございます」
照れ隠しのように鼻傷を掻きながらお礼を言うイルカ先生。
キュンと体の中のどこかが妙な音を立てたが、頬を染めて照れまくっているイルカ先生の姿を見るのに忙しくて出所を調べるのを放棄した。
照れをごまかすように一度咳ばらいをし、イルカ先生は本題に戻る。
「と、まぁ、そういう感じで、カカシ先生が任務で難儀していると分かり、受付員一同の中だけで極秘に任務状況を調べて行き、詳しい内容は分かったのですが、カカシ先生から相談された訳でもないですし、心の中で心配しつつも経過観察していたんです」
どうやら受付の皆さんにはご心配をかけていたようだ。いつか、お土産と称して何かを差し入れるのもありかもしれない。
「あー、それで、イルカ先生にオレが愚痴ったことで事態は動いた、と?」
何となく話したことが切っ掛けで怒涛の如く進展したのは、受付の皆さんの力もあったのか。
イルカ先生だけの力ではないことに内心ちょっとがっかりしつつ、顔には出さないでしたり顔で頷いておく。
「はい、そういうことです」
神妙な顔をして頷くイルカ先生。
あー、でもね? そうやってしおらしい態度取っているところ悪いけど、イルカ先生の目の前にいるのは上忍っていう質の悪い人種なんだーよね。その拙い説明じゃ、とてもじゃないが納得できかねる。
どことなくほっとした気配を染み出すイルカ先生へ、オレはにっこりと笑みを作る。
「で、その情報の出所はどーこ?」
オレの質問に、イルカ先生の体が固まった。
ぐっと何かを耐えるような素振りをしながら、「受付員の尽力ですが」といまだ言い募るイルカ先生へ、オレは無慈悲に告げる。
「経緯は分かったーよ。受付の皆さんがオレを心配してくれて、難航している任務にも気にかけてくれていた、と。でーもね、優秀な受付の皆さんならオレが難航している時点でそれに関する資料もないか調べてくれていたと思うんだーよね。でもね、イルカ先生言ってたでショ。九尾の事件で資料が燃えた。けど、イルカ先生は依頼主に事細かに語ってくれた。依頼主の様子からして真実に近い話をイルカ先生は知っていたみたい、だ」
オレの追求に、イルカ先生の顔がだんだんと強張ってくる。
初対面の時もそうだけど、イルカ先生って往生際が悪い癖があるようだ。
「本気の上忍の尋問受けてみよっか? 大丈夫。痛いことは一切なしでやってあ」
「言います!! すべて言います!! だから、その眼は止めてくださいっっ」
卓に肘をつき、舐めるように視線を這わせば、イルカ先生は即土下座した。
「……つまんなーいの」
結構その気になっていたこともあり、早々の降参にがっかりする。
「止めてくださいよ! 今、草食動物の気持ちがすっごくよく分かりました!!」
自分の体を抱きしめ、顔を青くするイルカ先生に、もうちょっと粘って欲しいと言うも、本気で拒否されて少々凹む。
「もー、痛くないって言ってるのに。慣れたら気持ちよくなること請け合いよ?」
「あんな目で見られて、気持ちいいだけで済むとは思いませんよ。変な癖つけられるの間違いないじゃないですか」
ただでさえ上忍の拷問はえぐいって聞いているのにと、顔色を悪くするイルカ先生は一体どういう方法を頭の中に描いているのだろうか。
オレが考えているのは勿論、寝……。ごほん。いやいや、どうやら思考が変な所へ向かっているようだ。話を戻そう。
隙があればそういう方向へ進もうとする己の頭を窘めつつ、ようやく観念したイルカ先生の話を聞く。
イルカ先生はオレから視線を外し、正座の格好でぼそりと名を呟いた。ん? 何だって?
小声とも言えないか細い声に耳を突き出せば、イルカ先生は目を閉じて、やけくそ気味に名を挙げた。
「三代目と、ホムラ様とコハル様です!!」
飛び出た里の代表とご意見番の名に、オレは思わず口を開ける。
「は?」
目の前には顔を真っ赤に染め、涙目のイルカ先生がいる。
「あの夜、その足で三代目の元まで言って、ついでにご意見番の皆さまのところまで押しかけて、事の経緯を聞いてきました!!」
一息に言いのけて、イルカ先生は顔を見せられないとばかりに両手で顔を覆って俯き、嘆いている。
「言いたくなかったのに、言いたくなかったのにぃぃぃ」と恥じ入っているイルカ先生に、オレは妙な感動を覚えていた。
オレのために上層部に掛け合ってまで、事の真相を調べてくれたの?
飛び込みで、あの礼儀にうるさいことで有名なご意見番両名にも?
じぃぃぃんと胸が痺れて、言葉も出ないオレの様子に、イルカ先生は顔を真っ赤にして言い訳らしきことを口走る。
「いや、違うんです!! だって、カカシ先生の立案書は完璧だったし、他に原因という原因がなかったから、だから、依頼主がおかしいって受付一同で話してて、資料がないなら知っている人に当たるしかないって、でも昔のことを事細かに覚えているっていう奇特な方は稀で!! そういや、コハル様はメモ魔だとか、ホムラ様は異様なまでに物覚えがいいとか話が出て! もしもの時は上層部に掛け合ってみるかって半分冗談みたいに意見書と資料用意してたから、カカシ先生の話聞いて、今しかないってちょっと頭のネジ飛んでいたっていうか、行き当たりばったりというか、変な使命感に駆られたっていうか、勢いっていうか、そんな諸々で!!! だから、俺が言いたいのは!!」
一拍息を吸い込んで、イルカ先生は再び土下座した。
「引かないでください、お願いしますぅぅぅぅっぅぅ!!!!」
わななく唇でお願いしますお願いしますと再びこめつきバッタのように頭を下げ始めた。
その後の飲み会は、恐慌をきたしたイルカ先生は何を言ってもごめんなさいとしか答えてもらえず、きっとはたから見たら変な会話を繰り広げていたのだと思う。
かくいうオレも、あの依頼主の過去を、受付の皆さんの手伝いがあったとはいえイルカ先生が最後にはもぎ取ってきたということが分かって浮かれきっていた。
だって、分かる?
イルカ先生がしたことって、不敬罪に処されてもおかしくない所業だよ?
アカデミー教師で、里の中枢を管理する受付部門も身に置いているイルカ先生が分からないはずないじゃない。
それにイルカ先生自身の評価を著しく下げちゃう可能性もあるんだよ?
それなのにそれを押し通して、掛け合ってくれたんだよ。
単なるオレの愚痴一つでさ。
目の前に出されたビールとつまみだけ腹に入れて、即、踵を返してお偉方の元へと行ってくれたんだよ。
これってさ、イルカ先生はオレのことすごく大事に思ってくれている証拠じゃない。浮かれない方がおかしいよ。
本当なら上忍として苦言の一つや二つ、釘の一つでも刺さないといけないんだろうけど、今のオレは到底無理。
ごめんなさい、ごめんなさいって青い顔してるイルカ先生がとんでもなく輝いて見えて、その存在がくすぐったくって仕方なかった。
ごめんなさいというイルカ先生を尻目にメニューの中で値が張るものを注文して(この時ほど何故チェーン店にしたと己に怒りを覚えた)、謝り続けるイルカ先生の口に勝手にご飯突っ込んで、自分が食べることも忘れて給餌して、会計して、外に出たら手をつないで家に丁重に送るくらい浮かれた。
イルカ先生のアパートの玄関まで送って、ごめんなさい、ごめんなさいってまだ言うイルカ先生の体を抱きしめて、どさくさに紛れて頭に口づけを送って、また明日って、次の日の約束を交わして、オレ自身が家に帰っても、まだふわふわとした幸福感はずっと続いていた。
おざなりにシャワーで身を清めて、布団にくるまった後も、ずっとご機嫌だった。
目を閉じて、イルカ先生のごめんなさいという声と、うつろな顔を思い出して、胸の鼓動が早まった。
勝手に出る漏らし笑いと、にたにたと勝手に上向きに上がる口元のまま噛みしめて噛みしめてその日は眠った。
翌朝起きた現象をその目にするまで。
オレはその晩、ずっとだらしない笑みを浮かべていた。
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カカシ先生は浮かれまくった!! 対するイルカ先生は混乱していた!